2001年、2月の健康教室
 

 
 
尿路結石症
 
1. 尿路とは腎臓から尿道にいたるまでの尿の通り道です。
 
 
 
 
2. 尿路結石症とは
尿路に結石ができる病気です。結石により尿の通過が悪くなったり,痛みの発作に襲われたり,血尿がでたりします。
 
3. 尿路結石症の頻度
1. 約20人に1人
2. 男 : 女 = 2.3 :1
3. 地域: 近畿,四国,北海道に多い
      東北,関東,九州では少ない
 
4. 尿路結石の症状
1. 痛み発作:結石でつまった側の激しい側腹部痛(疝痛発作)
    腎結石,膀胱結石は痛くありません
    一般に痛いのは尿管結石です
2. 血尿:番茶またはコーラ色のことが多いです
3. 膀胱刺激症状:尿管結石が膀胱近くまで降りてくると頻尿,残尿感などの膀胱炎様の症状がおきます。
 
  
 
 
5. 尿路結石の病態
1. 尿の通過障害:水腎症→長期間続くと患側の腎機能低下
2. 尿路感染症合併:尿がうっ滞するとそこに細菌感染症がおこりやすくなります。感染がおこると高熱がでます。
 
6. 診断
1. 特徴的な症状=疝痛発作,血尿
2. 身体所見:腰背部を叩いた時の痛み
3. 腹部単純レントゲン撮影(KUB):レントゲンに写る石が90%でのこり10%の石は写りません。
4. 腹部超音波検査:結石の存在や水腎症の状態が分かります。
5. 経静脈性腎盂造影(IVP):静脈に造影剤を注射し時間ごとに尿路の撮影をします。
6. 腹部CT:結石の存在と成分がわかります。
 
7. 治療
 1. 痛みの治療
   鎮痛剤:坐薬が最もよく効きます。
 
 2. つまった結石をはやく落とすために
1.  多量の水または番茶を飲む。ビールはプリン体という結石のもとを多量に含むので逆効果です。
2.  上下運動:階段の上り下りや縄跳び
3.  薬物療法:利尿作用のある漢方薬(チョレイトウ)
 
 3. どうしても石が降りない場合
90%の結石は自然排石しますが,どうしても石が落ちないときはその他の手段をとります。
1. ESWL(体外衝撃波砕石術):  現在最も一般的に行われる治療法で,衝撃波で結石を粉々にして尿とともに出させます。
2. 内視鏡手術
   1)PNL(経皮的腎切石術)
   2)TUL(経尿管的砕石術)
 
8. 結石の成分と特徴
1. カルシウム塩結石(シュウ酸カルシウム,リン酸カルシウム)
日本人の80%はこの成分です。レントゲンに写る。内服薬で溶けない。
2. リン酸マグネシウムアンモニウム結石
日本人の9%にみられます。感染性の結石です。老人に多い。
レントゲンに写る。内服薬で溶けない。
3. 尿酸結石
日本人の7%にみられます。男性に多い。
レントゲンに写らない。内服薬で溶ける。
4. シスチン結石
日本人の1.5%と少ない結石です。遺伝が関係します。
レントゲンに写らない。内服薬で溶ける。
 
このように,尿路結石といっても成分により性質,治療が異なるため当クリニックでは必ず結石の成分を分析して今後の再発予防に役立てています。
 
9. 再発予防
尿路結石は再発しやすい病気です。3年以内の再発率が50%といわれています。このため,たとえ石が排石しても今度は予防が大事になってきます。
 
1. 水分をしっかりとり,1日2リットル以上の尿量を維持する。(濃縮尿にならないように)
2. ジュース,牛乳,紅茶,アルコールの飲みすぎに注意。
3. 食事:塩分,糖分は控える。
夕食中心の食生活の改善。
就寝時直前の夕食は控える。
シュウ酸を多く含む食べ物を控える(ほうれん草,たけのこ,ココア,チョコレート,ナッツ類)
カルシウムの制限はいりません。
野菜をしっかりとる。
肉類は控えめに。
魚をしっかり食べる。
 
 
 
 


 
 
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