2001年、1月の健康教室
 

 
 
前立腺肥大症
 
1. 前立腺とは
 
前立腺は,男性の膀胱の出口にあって,尿道をぐるりと
取り巻いているクルミ大の器官です。最も重要な働きは,
前立腺液を分泌することで,この液は精嚢が分泌する精
嚢液と混ざり合って精液となり,精子を保護しています。
つまり,前立腺は男性の生殖機能に重要なかかわりをも
つ器官といえます。

2. 年齢と前立腺肥大症
 
前立腺肥大症は,年齢とともに増えてきます。
60歳以上の場合,約4人に1人の人が肥大症で,
そのうち40%の人が治療を要すると言われています。

3. 前立腺肥大症とは
 
前立腺肥大症の場合は,
尿道が圧迫されて狭くなり,
尿の通りが悪くなります。

 
4. 主な症状
1. トイレに行く回数が増える。(特に夜間)
2. 尿の出が悪く,排尿の時間がかかる。
3. 排尿後も,まだ尿が残っている感じがする。
4. 尿が全く出なくなる。

5. 検査
1. 直腸診:肛門から直腸に指を入れ,前立腺を触って肥大の程度,癌の有無を診る重要な検査です。
2. 超音波検査:前立腺の大きさや膀胱内の残尿の程度を診ます。
3. 腫瘍マーカー( PSA):血液検査をして前立腺癌でないことを確認します。

6. 治療
A 薬による治療
1. 尿道の緊張を和らげ尿の通りをよくする薬(ハルナール,フリバス)
2. 肥大した前立腺を小さくする薬(プロスタール)
3. 症状を和らげる漢方薬(八味地黄丸,牛車腎気丸)
B 手術
1. 経尿道的前立腺切除術(TUR-P)
内視鏡と電気メスが一体になった機械を尿道から入れ,
肥大した部分をけずりとる手術。(最もよく行われる手術)
2. 経尿道的前立腺レーザー手術(VLAP)
レーザーを出す内視鏡を尿道から入れ,肥大部分の組織を取り除く手術
3. 開腹式前立腺摘出術
お腹を開いて前立腺を取り去る手術

C その他
1. 温熱療法: マイクロ波で前立腺を暖めて肥大症の症状を除きます。
2. 尿道ステント留置術: 尿道にコイル状の器具を装着し尿道を拡げます。
3. バルーン拡張術:風船を尿道から入れ,肥大によって圧迫された所で風船をふくらませ,尿道を拡げます。

7. 日常生活の注意点
1. 刺激のつよい食品やお酒は控えめにしましょう。
2. 適度な運動をするようにしましょう。
3. 便秘や腰の冷えに気をつけましょう。
4. 長時間座り続けることはやめましょう。
5. おしっこは我慢せず,すぐにトイレに行くようにしましょう。
6. 適度な温度でゆっくり入浴しましょう。
7. 適度に水分をとるようにしましょう。しかし,夜中にトイレに行くことが  多い人は夕方からの水分を控えましょう。

8. 前立腺肥大症と前立腺癌
尿の出が悪くなったのを,年齢の為だとあきらめていませんか?前立腺肥大症とよく似た症状が現れる病気として前立腺癌があります。いずれの病気も早期に発見し治療することが大切です。少しでも心配なことがありましたら,お気軽に御相談下さい。

 
 
 
 


 
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